妙国寺


妙国寺の大蘇鉄  堺事件の碑

阪堺電車・妙国寺前駅

広普山妙国寺は、日蓮宗本山。
永禄5年(1562年)、畿内に勢力を張っていた阿波の三好之康が寺域を寄進し、
日b上人が父である堺の豪商・油屋常言と兄・常祐の協力を得て開山した。
境内にある天然記念物の大蘇鉄(写真=上左)は、織田信長が安土城に移植したものの、
毎夜「妙国寺へ帰ろう」という声が城内で聞こえるようになり、
怒った信長が蘇鉄を切らせたところ、切り口から鮮血が流れ出た。
このため、さすがの信長も堺・妙国寺に届け返したという伝説がある。

また、妙国寺は、堺事件の舞台でもある(写真=上右)。
鳥羽・伏見の戦いで、戊辰戦争の火蓋が切られて1年あまり後の慶応4(1868年)年2月15日。
大阪・天保山沖に停泊していたフランス軍艦の水兵が、市内見物のため堺に上陸した。
この際、妙国寺に駐屯していた堺警備隊の土佐藩士と衝突、
フランス兵13人を死傷させる事件となった。
国際問題に発展し、事態収拾のため賠償金支払いを受諾するとともに、
隊長の箕浦猪之吉、西村左平次以下20人に切腹を命じた。
2月23日、妙国寺本堂前で、フランス側も立会いのもと自刃したが、11人目が自刃した後、
あまりの凄絶さにフランス側が退場したため、残る9人の切腹は中止され、土佐に流刑となった。
後に森鴎外は、このてん末を小説「堺事件」に著した。
現在、妙国寺には、処刑に際して用いられた三方やゆかりの品が残されており、
ボランティアのガイドが説明してくれる。拝観料は400円。

住所は、堺市堺区材木町東4−14。阪堺電車「妙国寺前駅」(写真=下)から徒歩5分。


堺HAMONOミュージアム


堺HAMONOミュージアム外観

HAMONOミュージアム展示  HAMONOミュージアム販売コーナー


堺刃物は、現在でも多くのプロ料理人から支持される逸品。
古墳時代から専門家集団が居住した堺では、天文12年(1543年)に鉄砲やタバコが伝来して後、
優秀な金属加工技術を生かして、鉄砲や葉タバコを刻むタバコ包丁の産地としての地位を確立した。
戦乱に終止符が打たれた後も、装飾性に富む堺の鉄砲は珍重されたほか、
タバコ包丁は、徳川幕府が「堺極印」のもとに専売とするなど、全国ブランドとして浸透した。
600年の伝統を持つ「堺打刃物」は、「火造り」「刃付け」「研ぎ」の各工程ごとに分業体制が整備され、
高い品質を維持している。このため、1982年に国の伝統的工芸品に指定されている。

堺HAMONOミュージアム(写真=上)は、正式名称を「堺刃物伝統産業会館」といい、
堺刃物商工業協同組合連合会によって建設された。竣工は2000年。
1階は、様々な種類の業務用包丁を初め、鋏や工具などの堺刃物製品の常設展示(写真=下左)や
刃付けの実演コーナー、堺刃物製作の各工程を映像で紹介するコーナーなどがある。
また、伝統産業展示室(写真=下右)では、組合員企業各社の包丁などの展示・即売も行っている。
休日には、アマチュア料理人(要は主婦など)が多く訪れ、専門家のアドバイスのもとに、
本物の堺刃物から愛用の1本を選んでいる姿を見ることができる。入場は無料、毎週火曜日休館。

住所は、堺市堺区材木町西1−1−30。阪堺電車「妙国寺前駅」から徒歩3分。
南海本線「堺駅」から徒歩10分。


ふとん太鼓


出島 百舌鳥赤畑町

芦原濱 大南戸川(隅田)

泉州の祭といえば、岸和田のだんじり祭が全国的に知名度も高い。
しかし、堺の北部から河内にかけては、ふとん太鼓と呼ばれる屋台を奉納するところも多い。
堺も、もともとはだんじりを奉納するところが多かったが、
明治期に旧市内で死傷者を出す揉め事が発生。だんじりの曳航が禁止された。
この結果、昭和の初期にかけて堺北部では、ふとん太鼓の奉納が広がった。
しかし、江戸時代の絵画には、ふとん太鼓を奉納する姿が描かれているほか、
ふとん太鼓と同様に屋台を担ぐ文化圏が瀬戸内海沿岸に広がっており、
そのルーツを堺に求める伝承もある。源流については、確定されていないと認識しているが、
当方の認識不足があるならば、ご教示を乞いたい。

ふとん太鼓は、大太鼓を組み込んだ屋台の上に、朱色の布で覆ったふとん状の構造を重ね、
精巧な木彫や金糸の綱、大小の房、とんぼ(又は結び)とよばれる装飾を施したもの。
通常、子供が太鼓の叩き手として最大8人、さらに最上部に進行指示を行う大人2人が搭乗する。
重さは、大人50人あまりで担ぐ大太鼓の場合、2トンから3トンといわれている。
このほか、子供が担げるように同じ構造を小ぶりにした子供太鼓もある。

現在、堺市内では、堺区、西区、北区などでふとん太鼓の奉納が行われており、
戦災や担ぎ手の減少などで中断があった地域でも、復活の傾向にある。

ふとん太鼓の奉納が行われている主な地域は、
菅原神社(2台)、開口神社(4台。うち写真下左=芦原濱、写真下右=大南戸川)、
船待神社(3台。うち写真上左=出島)、
百舌鳥八幡宮(大太鼓9台・子供太鼓8台。うち写真上右=赤畑町)、
石津太神社(6台)、石津神社(1台)、方違神社(1台)など。
また、毎年10月に開催されている「堺まつり」では、各地のふとん太鼓が集結、
大小路シンボルロードでのパレードのフィナーレを飾っている。

各神社の住所は、
菅原神社(堺区戎之町東2−1−38)
開口神社(堺区甲斐町東2−1−29)
船待神社(堺区西湊町1−2−18)
百舌鳥八幡宮(北区百舌鳥赤畑町5−706)
石津太神社(西区浜寺石津町中4−12−7)
石津神社(堺区石津町1−15−21)
方違神社(堺区北三国ケ丘町2−2−1)


堺浜えんため館


堺浜えんため館全景  堺浜えんため館入り口

MOVIX堺

2006年4月15日にオープンした複合娯楽施設(写真=上右・上左)。
新日本製鉄堺製鉄所の遊休地再開発の一環として、隣接する大型家電量販店や
国内最大級のホームセンターとともに「堺浜シーサイドステージ」を形成する。
関西最大級の12スクリーン・総席数2413席のシネマコンプレックス「MOVIX堺」(写真=下)
やボウリング場、ゲームセンター、パチンコ・スロット店といったアミューズメント施設のほか、
複数の飲食店が集まった400席のがスポーツフードコート・遊食スタジアム、
各種レストランなどで構成されている。
また、利用者のための託児ルーム「えんためキッズ」も備える。
堺浜シーサイドステージ全体では、3100台収容の無料駐車場を用意しているが、
オープン早々とあって、休日はほぼ満車の状況。
海側にはさらに施設整備が予定されているほか、
海岸沿いには堺浜1号公園も整備される。
ただし、正直なところ、現在はまだ殺風景な感は否めない。
周辺整備完了までには、集客に工夫が必要。
また、大阪・南港や関西国際空港対岸エリアとの差別化についても、検討の余地あり。
さらに、アクセスについても、使用できる道路が限られるため、
こちらも工夫が必要。平日は快適なのだが。

住所は、堺市堺区築港八幡町1番1。南海堺駅または堺東駅からバス(大人運賃210円)。


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