山口家住宅（写真＝上左）は、大阪夏の陣で堺が焼け野原となった直後に建築されたと考えられる。
江戸時代前期の町屋建築としては貴重な民家の事例であるため、１９６６年に国の重要文化財に
指定されている。これまで内部は非公開であったが、堺市が取得し、文化財保護と観光資源として
活用する方針で、２００７年度中の公開を計画している。

鉄砲鍛冶屋敷（写真＝上右）は、鉄砲生産地として繁栄した堺において唯一江戸時代の姿を
留めている建築物で、堺市指定有形文化財。
こちらも、内部は非公開ながら、山口家住宅同様、観光拠点として堺市が活用の考えを示している。

榎並屋勘左衛門と芝辻理右衛門は、ともに堺を代表する鉄砲鍛冶。
榎並屋勘左衛門は幕府御用鉄砲鍛冶として重用され、
芝辻理右衛門は日本で初めて大筒を作ったほか、
大阪冬の陣でも徳川方から大量の鉄砲の発注をこなしたとされている。
その屋敷跡地周辺は、鉄砲の時代から現在に至るまで金属加工の伝統が受け継がれ、
屋敷跡地の石碑や説明文が掲示されている地も、日本刀や超高級堺刃物を製作する
水野鍛錬所（写真＝下）が立地している。

住所は
山口家住宅が、堺市堺区錦之町東１－２－３１（阪堺電車・綾ノ町駅から徒歩５分）
鉄砲鍛冶屋敷が、堺市堺区北旅籠町西１－３－２２（阪堺電車・高須神社駅から徒歩１０分）
榎並屋・芝辻屋敷跡が、堺市堺区桜之町西１－１－２７（阪堺電車・綾之町駅徒歩５分）

千利休は、大永２年（１５２２年）の生まれ。千家流茶の湯の開祖であり、侘茶の大成者とされる。
豪商・魚屋（ととや）の長男で、本名は与四郎、法諱は宗易、利休は居士号。
はじめ北向道陳に、さらに侘茶の開基で堺の茶道を京都をも凌ぐ勢いとした武野紹鷗に
学んだとされるが、最近の研究では紹鷗の影響は必ずしも大きくなかったとの説もある。
織田信長、豊臣秀吉に仕え、秀吉による禁中茶会や北野茶会を主宰した。
しかし、後に秀吉の怒りに触れ、天正１９年（１５９１年）に自刃して果てた。

千利休屋敷跡（写真＝上右）には、椿の井戸などが残るだけで、
堺で一番の有名人といえることを考えれば、やや寂しい。
関連資料は、堺市博物館に残されており、博物館前には銅像（写真＝上左）もある。

また、市内堺区の南宗寺には利休宗易居士の碑（写真＝下右）を中心に、
不審庵、今日庵、官休庵など、千家一門の碑が建てられている。

住所は
千利休屋敷跡が、堺市堺区宿院西１－１７－１（阪堺電車・宿院駅下車徒歩１分）
堺市博物館が、堺市堺区百舌鳥夕雲町２丁の大仙公園内（JR阪和線・百舌鳥駅下車徒歩８分）
南宗寺が、堺市堺区南旅篭町３－１－２（阪堺電車・御陵前駅下車徒歩５分）

南宗寺は、龍興山と称し、臨済宗の大徳寺派に属している。
大徳寺の住職だった大林宗套の開山で、大林和尚に帰依した三好長慶が壮大な寺院を建立した。
その後、天正２年（１５７４年）の松永久秀の乱、慶長２０年（１６１５年）の大坂夏の陣などで消失。
元和５年（１６１９年）に、沢庵和尚らの尽力で再建された。

仏殿（写真＝上左）は、甘露門や唐門とともに国指定の重要文化財となっており、天井には
狩野信政筆の「八方睨みの龍」が描かれている。
坐雲亭（写真＝上右）は、山内最古の建築物で、下層が３間四方、上層が１間四方の重層様式。
内部には、、徳川幕府２代将軍秀忠、３代将軍家光が来訪したことを示す額がかけられている。

方丈（本堂＝内部は非公開）に続く庭の枯山水庭園（写真＝中左・右とも）は、戦後再建されたが、
古田織部好みの作となっており、国の名勝庭園に指定されている。

南宗寺と茶道のかかわりは深く、千利休や武野紹鷗らの墓碑があるほか、
利休好みの茶室・実相庵（写真＝下）、利休・紹鷗遺愛の石灯籠や手水鉢などもある。

住所は
堺市堺区南旅篭町東３－１－２（阪堺電車・御陵前駅下車徒歩５分）

堺シティマラソンは、１９８０年に第１回が開催され、毎年４月２９日に行われる恒例イベント。
２７回目を迎えた２００６年は、政令指定都市移行の記念大会となった。
大仙公園周辺路上にスタート・ゴールを設置し、仁徳天皇陵の堀沿いなどを周回するコースで、
ゴールデンウィークの前半ということもあり、参加者は多い。
４．５キロの健康マラソン、２．５キロのファミリーマラソン、４５歳以上による男女１０キロマスターズ、
４５歳未満による男女１０キロ一般の４つのカテゴリーに分かれ、健脚を競う。
公園内では、参加者および家族・友人などによるバーベキューが、各所で行われているため、
空腹でのレース見物は、少々辛い。

Copyright©2006 Masanori Yamamoto All right reserved